見逃した新作ホラー見ていくで~(day~)4 映画の中に登場するカメラ

a1. 『モンスター 変身する美女』(ムーアヘッド+ベンソン)

a2. 『シンクロニック』(ムーアヘッド+ベンソン)

b1. 『ベルリンアレクサンダー広場』(アルフレッド・デーブリン)

 

 

雨ヤバすぎ。あと雷恐すぎ。

さっき知って驚いたのが(かなり前から話題にはなっていたそうで…)フランソワ・オゾンが『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』をリメイクするとのこと。タイトルはPetra=ペトラからPeter=ピーターにすげ替えられており、『ペトラ』の撮影現場が舞台のようだ。つまり、このピーターという男はファスビンダー自身の投影となっているよう。全然知らなかった!オゾンといえば『焼け石に水』(ファスビンダーの戯曲の映画化、未見)があるが、いよいよファスビンダーフォロワー作品の決定版となりそうな予感。クレジットに、マルギット・カルステンセンの「アーカイブフッテージ」、かつヴィジュアルエフェクトとあるのが気になる。

映画の撮影現場におけるパワーバランスの問題はファスビンダーの場合とくにアクチュアルであるし、現代性のあるテーマ。いい題材の選び方ですね。なお、「In My Room」は流れるそう(うれピ!)。なお、日本公開は確定しているようです。

↑カメラが登場するカットって無条件に良い。とても暴力的で。カメラ=銃でっせ。

Janus Films — Homework

キアロスタミ『ホームワーク』より恐すぎるカット。子供も泣いてる。

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↑ギャスパーノエ『ルクス・エテルナ』より「ゴダールの時代は良かった」おじさん。こいつほんまにおもろかった。

高橋洋中田秀夫『女優霊』より「おい、何か回ってるぞ」という恐すぎる場面。貴重なフィルムも無駄づかい…少し趣向は違うがすばらしい場面だった。

↑今日見た『シンクロニック』にもカメラカット登場…しかし、暴力的ではなかった。やっぱり撮影現場じゃないとあかんか。全然無条件ではないな。

 

a1.

傑作です。『アルカディア』と並ぶくらい好きかもしれないな。低予算ながらスケールアップを図るインサート芸とスクリーンプロセスが映画の格を一段上げている。だらだらとしたイタリア傷心旅行の模様には締まりがなかったのだが、彼女の真の姿が露わになるカットの破壊力がすさまじく、このワンカットで映画全体が締まる。ラストを適当にまとめてしまうのはムーアヘッド+ベンソンの難点か(ただ彼女がポンペイ出身というアイデアや、カタコンベのことを私より古いものと表現したり、ディテールが面白い)。たいしたことのない場面、たとえばタバコを買いに行く場面やバーで愚痴る場面などで、些細な演出なのだが少し違和感を残す演出も良い。すばらしかった。

 

a2.

これははじめてイマイチな作品。撮影は相変わらずムーアヘッドが担当しているのは流石だが、プロデューサーの多さに愕然とした。これくらいが普通なんか?こりゃつまらなくなって当然。独特なインサート芸(今回はやたら宇宙推し)や編集のテンポ感、スクリーンプロセスもいつもながら良いのだが、構図そのままで背景だけがパッと移り変わる編集はくどく感じる。キャラクターの捉え方について、適当な設定の救急救命医は最高でした。待機中にゴルフしたり、搬送中に喧嘩をはじめたり。と、良い要素は数多くあるのだが、脚本がぬるい。