星、といえば鈴木則文

本日は「奇談」。

 

 

「奇談」、コレはちょっとなあ。幼少期に神隠しに遭った少女はその時の記憶がポッカリと空いている。コレは重要な設定。で、この設定をもっと活かして欲しかったんだけど、神隠しにあったとされる村を訪れたら次々と記憶がよみがえっていく…イヤ、アカンやろ。漫画ならまだしも、映画でソレはキツイ。せめて退行催眠でもやって、UFOアブダクションや悪魔教団による児童虐待と重ね合わせてくれれば面白くなっただろうに。ただ、それは複雑すぎるかしら。

それから、こういう類の村ホラーは如何に世界観を吞み込ませるかが重要だと思うのですが(つまり導入)、それをほとんど放棄してないか?それ故全く入り込めなかった。「ハナレでは近親婚の風習があり、知能が高くても7歳児程度」とかも台詞で語られるだけやしな。ウィトカー一家でも見てみろや。

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ラヴクラフト同様、諸星大二郎は映画の鬼門やな。ジブリとか、庵野とか、アニメなら行けるのかもしれない。いくら隠れキリシタンが東北にいたとはいえ、イエスだ、ルシファーだを日本人が声高に叫ぶのは見ていてキツイが、これもアニメだと解消されるのかもしれない。

諸星大二郎を映画でやるならセカイ系には無理があるが、現代恐怖劇なら良い表現がたくさんある。「子供の情景」とか「袋の中」とかね。「復讐クラブ」だって良い。