明けましておめでとうございます。

三が日は、

・「テリファー」

・「恐竜神父」

・「ジェシカ/妖次元の誘惑」

・「ガンニバル」ep.1+2

・「ウルトラセブン」第46話「あなたはだあれ?」

・「パニックフライト」

・「妖怪百物語」

・「ナンシー」

を見た。

・デヴィッドアンブローズ「覚醒するアダム」

橘外男橘外男選集 悲哀人獣編」

を今は読み進めています。

 

 

「テリファー」は随所に、歌舞伎的な見えを切るカットが散見されました。ノコギリで男の首を刈り取るカットで最もそれが活かされていたかな。ピエロ(Art the Crown)はマザコンであるように描写されており、エド・ゲインパロディもやっている。性欲が行動原理ではないようなので、おとなこどもて言葉がしっくりくる殺人鬼です。知恵遅れのように見えながら、意外にもスマホを使いこなしたり、文字が読めたりする。中盤にコスプレをした妹が拘束される場面では、ジャンルがトーチャー映画へとシフトチェンジ。「ああ、これはいいや」と思っていたが長くは続かず再びスラッシャー映画へと戻る。ゴアが光っていたのは、やはり股割りかな。

冒頭のキャスター殺しだけはピエロによって顔面を壊されてしまったサバイバーの手によるもので、この着眼点は面白かった。猿に顔面ぐちゃぐちゃにされた女性の動画とかを思い出す。ピエロが顔にコンプレックスを抱いているため、執拗に狙うという設定の元ネタはコレでしょう。顔を執拗に壊す殺人鬼(殺してはないから、暴行魔?)はいるのかな?

ameblo.jp

基本退屈極まりない映画なので、「テリファー2」ではもう少し脚本に知恵を絞らないと、さすがに2時間20分は耐えがたいだろうな。予算は結構増えていそう。

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「ナンシー」、30年前に行方不明になった子供って実は自分のことなのでは?という着想は面白いと思いましたが、何かと中途半端。後半部を親父の狂気に焦点を絞った「チタン」の方が優れているように思います。一番面白かったのは特に何も起こらない前半部で、ナンシーが「ワタシこの前北朝鮮行ったよ」などと言い出す場面。冷静な職場の同僚は「入国できるわけがないだろ」と軽くあしらうのですが、プライドが高いナンシーはコラージュした北朝鮮の写真を証拠として提示。噓つきが頑張る場面は見ていてハラハラして非常に良いです。たとえば「小さな独裁者」。この場合「一切人生の足しにならない嘘」というのが重要。こういう小笑いを積み重ねてくれれば佳作足りえただろうに。後半から一気に失速。情感たっぷりの劇伴もダサすぎ。残念。

ナンシー

ポスターは悪くないと思います。

 

 

「妖怪百物語」、傑作「大魔神」と同じ座組。奉行がやって来て村を占拠されるという舞台設定も似ているけど、肝心のdevotionalな側面を棄ててしまっているのが勿体ない。大魔神は女の涙と祈りに弱いけど、妖怪にそういう設定は適用しづらいか。百物語の終わりに行う憑きもの落としをやらなかったがために酷い目に遭う、「そんなものは貧民の迷信だろう」との台詞は良かった。ただ話が読めてしまい、盛り上がり所に欠ける。一瞬でも「もしかしたら本当に現れてくれないのかも」と思わせてくれた大魔神の方がドライブ感があって良かった。

 

 

「パニックフライト」、超面白い。中盤、機内だけのワンシチュエーションでよくここまで引っ張れるな。飛行機は画面が締まっていいですね。シンプルに画になるし、ジャンプスケア的にいきなり機体が揺れたり、乱気流にのまれたり、長時間赤の他人とひざを突き合わせないといけないことに設定上無理がない。暗殺方法は笑いました。PRGで政府の高官殺害とか初めて見たかも。これで85分。

 

 

「恐竜神父」、脚本が面白いので画はチャチくても充分見れます。神父が恐竜に変身するというアイデアを体現する主演のグレッグ・コーハンは素晴らしかったですね。監督脚本のブレンダン・スティアにも今後注目です。チャイニーズ・ニンジャ軍団が「キラーエリート」ほどのキレがなかったので、ややマイナス。

 

 

「ガンニバル」ep.1+2、ここまでのクオリティのものを出されるとは思っておらず。村ホラー感は程ほどに、演出の力点を柳楽優弥の異常さに置いていることで格段に面白くなっている。「村に食人一家がいる」という縦軸でどれほど驚かせてくれるかは今後に期待。食人もの×村ホラーって正直見飽きてるので、中々ハードル高いと思うけど。にしてもファーストカット良かったなあ。駐在さんの異常なテンションが最高だった。「あ、ヤバいんだ」とすんなり呑み込めました。以前から映画の中で映るカメラに敏感に反応しちゃう身体でしたが、カメラの暴力性が遺憾なく発揮されていてシビれました。食人一家に妙に恥じらいを感じることが恐怖のポイントなのかもしれない。アレで攻撃的だったら恐くないもんね。地下牢が出てきましたが、今後もあそこは重要なポイントなんでしょう。何か化け物でも飼っていたりするのだろうか?そいつに人肉を与えているとか?

ああ、早く原作読んじゃいたい。

 

 

ジェシカ/妖次元の誘惑」、これは既に何度か見ている。かな~り退屈な序盤ですが、クラブの中に宇宙服で潜入する一連の下りは本当に異常でスゴイ!誰が考えたんだあんなこと。どんどん地下へと向かっていると思えば気付いたら宇宙空間から地上にある自分の家を見下ろしている…って。そしてそこで自分が宇宙服を着ている意味に気付く、という…。

 

 

ウルトラセブン」第46話「あなたはだあれ?」、ふくろう団地の回ですな。「ジェシカ」の近いものを感じたので合わせて見てみました。