コロナ病床日記② 狩り2

a1. 『カルテルランド』(マシュー・ハイネマン

a2. 『マンハント』(ジョン・ウー

a3. 『追撃者』(ジャン・バティスト・レオネッティ)

a4. 『The Perfume of the Lady in Black』(フランチェスコ・バリッリ)

b1. 『霊界からの警告』(武田崇元

 

 

あかん、喉が痛い……コロナウイルスはヴァリエーション豊か。あと目の裏激痛……癖で目玉を裏返すと激痛……一昨日は回復の兆しが見えたが、ここに来てまた落ち込んだのが昨日。なので病床日記の更新すらままならず。

今日は頭痛薬と解熱剤を大量摂取したことで6時間くらい気を失っていたが、気分はだいぶ楽になった。ウイルスが脳に回ったせいか頭がこじれてしまい、何も考えることができない。こういうときに映画は最適。

 

 

a1.

ナマの銃撃戦を見ることが出来る。カルテルから報復された家族の死体なんかもバンバン出てくるので映像倫理的にどうなんだこれは、とコロナ病みの脳で心配になってしまった。カルテルによる犯罪への対策をとろうとしない政府に代わって自警団組織が立ち上がるのだが、それすらも後にカルテルになってしまうという恐るべき内容で、成立段階からして自警団らの資金源はそもそも麻薬密売だった、というマッチポンプな悲劇。当初はもちろん違法だったカルテルという存在が、自警団組織を経て、ひとつの軍閥として国家に合法だと認証されるまでが対象。撮影者も途中からは横暴な自警団組織をかなり突き放して撮っており、このような結末は、むべなるかな。もっと関連の記録映画を見たい。どうしたって似てくるので、カルテル側から見た記録映画とかないんかな。

 

a2.

製薬会社内で行われていた生体実験、そこから巻き起こる一大ガンアクションは見所か。ただいつものジョン・ウーほどのアクションは期待してはならない。肝心の鳩ポイントは序盤の切り立った崖の上での福山とハンユーの取っ組み合いで見られる。スローモーションの使い方はペキンパーのそれとは正反対。思ってたより切羽詰まった映画で、福山雅治出演パートはウィッシュマン映画と紙一重のノーリップシンク。こういうタイプの映画ではたまに手術台案件に出くわすのだが(『デンジャラス・チェイス』など)、ほどよく高揚する。

 

a3.

これがアタリだった。たいへん面白く飽きさせない。印象的な画も多い。『ザ・プレイ』は試練を乗り越えた先に少女の顔が変わるといった演出が見られず、はがゆい思いをしたが、今作の青年は試練を経て顔ががらりと変わってしまう。スリングショットの練習をする辺りから良いぞ良いぞとなり、いざ弾を放つ瞬間の鬼気迫る表情には思わず涙。彼の人生すべてを見た気になってしまったのだから、すごい俳優さんやなあ。

 

a4.

期待値の割にはイマイチな小品。最後のダメ押しの展開には『ヘレディタリー』が頭をよぎり、もういいよやめてくれとなったが、意外にもそこだけは良かった。