コロナ病床日記① 狩り

a1. 『プレデター ザ・プレイ』(ダン・トラクテンバーグ)

a2. 『ゴースト・アンド・ダークネス』(スティーヴン・ホプキンス)

 

 

3日前にコロナ感染が判明し、一昨日、昨日と倒れていたので何も出来ず(いやほんとに何も出来なかった)、ようやく今日に入って熱も下がり元気も出てきたので自宅療養期間中は研究室にも入れないしひたすら映画鑑賞・読書でもしましょうかね。ということで病床日記①なのです。ただただ寝るだけの二日間はお供にずっとYouTubeを流しており、コロナ病みの脳に一番心地よかったのは素人の政治語り。適当に流していたので誰が言っていたかは定かではないけど、何か良いこと言うてた。あと未解決事件に詳しくなった。

 

 

a1.

「狩り」にだけ絞ってドラマを展開するのは良い。ただ雰囲気がまるで無い。主演女優は一応インディアンの血を引く小娘らしく(とは言っても今年25歳!)、18歳の時には『ブラッドファーザー』のニューメキシコでのキャスティングを手伝っているという強者だそうだが、画面には出てない。あんな小娘に負けるというエンディングありきで作っているためプレデターも下方修正せざるを得ず、一作目にあった自爆で決着が付く不条理感も皆無で、歪さがまるでない商品。ドラッグ食べると体温が下がるから見えない、て何がおもろいんやその設定。ただ、彼女が彼女なりにひとりで訓練する場面は良かったり、反対にプレデターがエイペックスプレデターとしてこちらも黙々と頑張る所もすごく良い。しかし、いま被害者の物語は口に合わない。

 

a2.

『プレイ』があんまりにも脱臭された毒のない映画だったので侵略者の立場から土着の恐怖を描く映画を見たくなり、こちらを。侵略に対して抱く後ろめたさがライオンとして可視化され襲いかかってくるのである。監督は『プレデター2』の人で、この人はこのようなテーマに取り憑かれているのかもしれない。地元民にストライキされ鉄道敷設が捗らない中、アフリカで暮らす男(マイケルダグラス)と共にライオン退治に向かう新任のジョン(ヴァルキルマー)。こういう設定の方が盛り上がるやろ。なお撮影ヴィルモス・ズィグモンドで、かなり見れる映像にもなっている。太陽を背に登場するライオンなど決め画も多い。真相は明かされないが、どうやら二頭のライオンには土着の霊が乗り移っているらしく、普通ではあり得ない殺しをしている、つまり生きるための殺しではなく殺しを楽しんでいるらしい(マイケルダグラス談)。白人が入植したことで彼らは目覚め残虐な狩りを開始する。その後始末をさせられる二人の男。佳作。