アブダクティー

a1. 『フォーガットン』(ジョセフ・ルーベン)

a2. 『SFXハードボイルド ラヴクラフト』(マーティン・キャンベル

 

 

・『SFXハードボイルド』のマーティン・キャンベルは近年ではジャッキーの『ザ・フォーリナー/復讐者』を監督しているのですが、驚いたのがメルギブの『復讐捜査線』の監督もしていること!最近「失踪する系」映画をいっぱい見ていて当然これもリストには入っていた。失踪→とくにオカルトが絡んだ失踪→オカルト絡みの捜索→ラヴクラフト×探偵ものという緩いつながりで見ただけなのですが、ここで繋がるとは。本作では失踪はしないのだけどね。

・エイリアンアブダクトものの異様な現代版として記憶に新しい『デンジャラス・チェイス』。以下リスト。いずれ見まくる予定。

『twinkl twinkl little star』『コミュニオン』『Xファイル』『Carl Segan's COSMOS』『Intruders』『I married a monster from outer space』『earth vs. the flying saucers』『地球外生命体捕獲』『フォースカインド』『それは外宇宙からやって来た』『ファイアー・イン・ザ・スカイ』など。

 

 

a1.

驚いた!ほんとに驚いた!男はエージェントを含めて二枚目しか登場せず、「こんなにも面白くないドラマがあっていいのか…」と打ちひしがれていたら、期待のアブダクト場面の迫力が予想以上にすごい。特殊効果のCarey Villegasは『ダンテズピーク』、『ファイトクラブ』と一時代のルックを決めてしまっている人。小屋の屋根が剥がされる瞬間に一番脈が速くなった。ヘタにUFOを出さないところも潔くて良い。

 

a2.

途中うとうとしたが決して悪くはなかった。とにかく俳優がみんな良くて、ラヴクラフト役のフレッド・ウォードは一体どう演じるのやらと身構えていたが飄々としているため作品世界の風通しを良くしている。同じことは処女のアレクサンドラ・パワーズについても言えるかな、妙に軽かった。そしてそんなオリヴィアの父親がデビッドワーナーで、この時期のワーナーは『ダークビヨンド』・『ネクロノミカン』・『マウス・オブ・マッドネス』とラヴクラフトものに出まくっている。やや重厚すぎる芝居な気もしましたが、後半になるにつれて良く。クランシー・ブラウンはハマってました。警察署のシーンが白眉で、当たり前のように降霊術で犯人を捜索しているのが面白い。スコット・デリクソンの源流もこの辺りなのではと疑っている。『NY心霊捜査官』を早く見なくてはいけないな。

処女か処女じゃないか論争を繰り広げるのはくだらない。旧支配者がそんなくだらないことを気にするだろうか。浅ましい人間の所業にしか思えず、何ならいざ召喚する段になって「実際はどっちでも良かった」ことが判明してガビーンとなる方が面白い。