eternity

a1. 『X/エックス』(タイ・ウェスト)

a2. 『ソー/ラブ&サンダー』(タイカ・ワイティティ

 

 

劇場の空調寒すぎるんやけど何とかならんのか。眠くなってまう。

 

 

a1.

中々良作。序盤から中盤にかけては非常に退屈するも、女がワニに喰われる場面から持ち直し、老いた者同士の命がけのセックスで盛り上がりはピークに。特に今作に限っては股間のモザイクがノイズになっていて、どうせ特殊メイクなんだから見せてくれたっていいのにと思う。前半が退屈になってしまっている要因は、パールの特殊メイクに人間味を醸しすぎで怪物に見えない点。たとえば『肉欲のオーディション/引き裂かれたカーテン』の「ローラー鎌ばばば」のように異物として画面に映らない。ただそれだからこそ命がけのセックスが燃えるわけで、特殊メイクが映画の見え方を左右している。老夫婦の死に様もまた粋であり、従軍していた旦那の方はまさかのショック死、ばばばの方はショットガンの反動で腰骨を折る、という何とも老いぼれ的な死に方で面白い。タイ・ウェストは「なさけないズーム」を完璧に使いこなしており、それによる画面構成も非常に良かった。俳優陣はミア・ゴス一人勝ち。反撃に転ずる瞬間の彼女の身のこなし方には惚れた。気になった点として、やたら間を溜めて丁寧に悲鳴を撮っているのが不思議。まあたしかに悲鳴は恐いから、しっかりやってくれるに越したことはないのだけど。

a2.

いよいよMCUがどこか遠くへ行ってしまった感覚。こういう感覚を求めていたので最高です。ギャグはまったくノレないし、岩の彼は可愛くないしで、途中まではかなり退屈やったんやけど(ヤギはしつこくて良かった。meatに過剰反応するのも可愛い。ゼウスも良い。「おまえは来ちゃダメだもんね!」)、クリスチャン・ベイルの口から「eternity」という言葉が発せられた瞬間に背筋がぞわっと。え、まじで、とわくわくしていると、まさかまさかのエタニティ登場!うわーすげー。そんなエタニティの力によってベイルの娘は蘇りますし、ジェーンは死んで無に帰すのではなくヴァルハラに行けたし、ゼウスはなんやかんや死んでないしで、MCUにおける死ほど当てにならないものも無くなったわけで、その決定打がエタニティ。いよいよ次のグレードに移った感じ。