怒ってる?笑ってる?

a1. 『乱気流/タービュランス』(ロバート・バトラー

a2. 『オビ=ワン・ケノービ』ep.1-2

 

 

a1.

レイ・リオッタがお亡くなりに。『グッドフェローズ』でお馴染みのリオッタですが、デビュー作の『サムシングワイルド』も良いし、スタローンと共演した『コップランド』の彼だって最高だった。そんな中で選んだのが『乱気流/タービュランス』。本作でも、リオッタ特有の笑ってんだか怒ってんだか判別不能な芝居が炸裂する。観客はそんなリオッタの表情や動きをゲラゲラ笑って、時には恐れつつ楽しめば良いのだが、最も大変なのは彼の芝居にリアクションをする相手方。連続殺人鬼である彼につきまとわれるのはキャビンアテンダントのローレン・ホーリーホーリーは本作でゴールデンラズベリー賞最低女優賞とやらを受賞しているが、気にすることはない。とんでもないハイテンションな芝居をする相手を前にして、自身の演技プランを全うできる役者がどこにいようか(第一、賞自体が最低だ)。私は本作のホーリーが大好き。最後に搭乗口の上でガッツポーズでもすれば尚良かったのに、と思うくらいにはノれた。この映画、面白いのが、リオッタのテンションに応じて天候が変化してゆく点で、リオッタがブチ切れれば天候は悪化して乱気流に呑まれ、リオッタが死んでフラットラインを迎えると天候は穏やかに(ただ遠くの方でバリバリと雷は鳴っていたが)。天候を自由自在に操る男リオッタ。登場場面は少ないものの、しっかりと印象を残すレイチェル・ティコタンはさすがだなあ。遠隔指示を出す機長役のベン・クロスも安心できるキャラクターを全うしており、良かった。この俳優は覚えておこう。「飛行機墜落モノ」(しないけど)として見て、ラスヴェガスの立体駐車場を突き破る飛行機の前輪にフォード車?だかが嵌まり込んでしまい、それにより着陸が上手くいかない、という展開は異様で面白い。そして何と軍用機が出動し、飛行機を誘導するのかと思いきや、前輪を銃撃し、車を撃ち落とすという展開まで付く。そして必須の落雷描写は、もはややり過ぎなくらいでお腹いっぱい。操縦席で必死に操作するホーリーをガラス越しに捉えたショットに、稲妻がチラリと映り込むのも見せ方が上手い。すごい勢いで雲を抜けて地上が見えてくる、といったカットも抑えており、隙がないです。

a2.

尋問官の仲間割れが始まったときにはどうしようかと。リーヴァはちょっとフィンを思わせる「シス(ファーストオーダー)の尋問官(トルーパー)だけど実は良い人」キャラなのかと思いましたが、第二話で単なるアナキン狂信者だと分かり一安心。今後に期待が高まる。『ボバ・フェット』ではディン・ジャリン回以外はタトゥイーンから一歩も外に出なかったボバ。本作もオビワンがルークを遠くから観察するだけの、またしてもタトゥイーン内部だけで完結する物語なのかと思いきや早々に脱出する辺りも良いと思いました。かといって無闇にキャラクターを増やすわけではないので(『ボバ』はキャラとクリフハンガーが多すぎた)MCU的なファンサービスはないシリーズなのかも知れない。敵は明確(シス!尋問官!アナキン…)だしキャラクターの動機は単純(ジェダイコードを思い出すオビワンに、生き残りを狩りたい尋問官の対立)それでいて第二話の惑星ダイユーはプリクエル的な色使いに住民は旧三部作の質感、という点でバランスが良く、是非とも目配せなしでこのままで進めて欲しい。ルークにお土産を買っていくオビワンが、渡したおもちゃは、T-16スカイホッパーというらしく、エピソード4で「ウォンプラットを撃った」「訓練は積んできた」というまさにアレ。こういう些細なものは嬉しい。また宇宙チンピラの一人はレッチリのベースだったらしい。それから道で乞食をしていたクローン兵(ティムエラモリソン)。これは今後バッドバッチが出てくる予兆なのだろうか?次回は仲間の元へと向かうそうで、おそらくそこにアソーカやグローグー(ということはオビワンがタトゥイーンに連れて行く?それを追ってアナキンが来たりするのか…?)、生き残りのジェダイ、洗脳を免れ得たクローン達がいるのだろう。合計6話しかないようだから、途中でダレてる暇はなさそうだ。期待が高まる。